前回、僕が出会った中で1番過保護な保護者の話を書きました。
そこでもお話したと思いますが、過保護にされすぎて思考力がまるで育っていない事が勉強に1番大きな影響を与えていると僕は思っています。
色々な生徒を塾で見てきましたが、”ちょっと過保護じゃないかな”って思う家庭の子は精神的に幼い子が多く思考力がない子が多いです。
何故、精神的に幼くなってしまったのか、思考力がなくなってしまったのか、僕なりに考察してみましたのでぜひ読んでみてください。
①会話をする際に聞く側が内容を察する必要がある
よくある話ですが、例えば筆記用具を忘れた際に「筆箱忘れた」だけしか言わなかったり、「先生、筆記用具」のような伝え方で僕達に「筆記用具を忘れたから貸して欲しい」という事を察して欲しそうにしています。
僕は、こういった会話が塾で起こるということは間違いなく普段の家の会話でも同じような事が起こっていると思っています。
小さい頃は「お茶」とか、「タオル」って単語から保護者が子供の言いたい事を察してやってあげる事で困った時にきちんと自分の考えを伝えれない中学生や高校生に成長します。
そういった子達が勉強に取り組んだ時に起こるのが、”どこが分からないのか分からない”です。
分からない事を言語化できないので質問が”分かりません”しか言えなくなります。
勉強できる子達の質問は分からないところが明確になっている事が多いです。
「この英単語の意味を教えてください」、「BTB溶液ってどんな色に変わるんでしたっけ」、こんな感じで具体的にどこが分からないかちゃんと言ってくれるので手助けしやすいです。
「分かりません」だけだと、結局こちら側が恐らくこの辺が分からないのかなと相手の分からないところを察してあげながら教えないといけません。
学生の間はまだ良いですが、このような思考力レベルだと大人になった時に困ります。
部下や後輩が「全部分かりません」って質問に来られても困りますよね。
大人なら子供が単語を言うだけで困ってる事を察してやってあげることはできると思いますが、決して僕はそれが良い事だとは思いません。
子供にどうして欲しいのかちゃんと言わせることはとても大切だと思います。
②幼いうちに失敗を経験させない
皆さんは失敗をした時に何を考えますか?
僕は「次は失敗しないように気をつけよう」って思う事が多いですが、皆さんはどうですか?
この「次に失敗しないように気をつけよう」って子供の精神的な成長に大きく繋がると思うんです。
子供が小学生になると、子供がちゃんと明日の用意をできてるか、宿題をちゃんとやったか不安になって声かけをしたくなると思います。
でも僕はその声かけを最初は我慢して欲しいと思ってます。
結局忘れたまま学校に行って学校の先生に注意されるかもしれませんが、その失敗から学んでもらえれば十分だと思います。
いつも声かけをしていると、”親の言う事だけ聞いておけば失敗しない”、”何かあっても親に声をかけてもらえるから大丈夫”と思い込むようになります。
そこから成長すると、今度は親に言われないとしないようになります。
昔、入塾してから1ヶ月くらいは宿題をちゃんとやってきてた子が急にずっとやってこなくなりました。
お母さんにその話をすると、「最初の1ヶ月は宿題忘れないようにずっと言ってたけど、今は言ってません」との事でした。
この子は入塾時中2でしたけど、この時点でお母さんに言われたからやる、言われないからやらないが染み込んでました。
こういった子は意外に多く、”親に言われたからやる、言われてないからやらない”が思考の基本になっているので自分で考えて動く事ができないです。
もちろん、宿題を全くやらないままだと学校から連絡が入ると思います。
その時はちゃんと話し合って宿題をやらせる為の工夫をしてみると良いと思いますが、最初から何でも声かけして失敗をさせないようにするのは子供の成長の妨げになると思います。
正直なところ最初のうちの失敗は問題ないと思います。
だから最初は失敗させても良いので子供を自立させるようにする、そして何回も失敗させて良いくらいの精神で小学校低学年は過ごしても良いと思います。
僕は考える事こそが思考力を引き上げ、精神年齢を向上させてくれると思います。
なんでも大人が察して手助けしたり、失敗しないように先回りすると本当に幼い子に育ちます。
その幼さは結局学校の勉強についていけない原因の1つになってしまいます。
最後になりますが、これは僕個人の意見なのでこんな意見もあるんだくらいに思ってください。塾の講師の一意見程度で必ずしもこれが正しいわけではないと思って頂ければと思います。
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